スマートフォンが持つカメラの機能の一つに、HDRと呼ばれるものがあります。これはHigh Dynamic Rangeを略したもので、写真をよりきれいに撮影するためのものです。いつもどおりの撮影ではうまく行かないような場合に、この機能を用いるときれいな一枚が撮影できるので試してみましょう。
HDRを使って撮影するには、スマートフォンのカメラのその機能が備わっている必要があります。パンフレットなどで自分が持っている端末で使えるかどうか、確認しておいてください。
使えるのであれば、カメラアプリを起動させます。その状態では普通の撮影機能でしかありません。メニューを開き、説明書のとおりにHDRへ設定してください。後は普段どおりにシャッターを切るだけで、いつもとは違った深みのある写真が撮れるはずです。
なぜこのように色合いの違う写真が撮れるのかというと、カメラが同時に3枚分の写真を撮影して合成しているからです。スマートフォンに付いているカメラは、日陰から日なたを撮影したような、明るい場所と暗い場所に大きな差があるシーンが苦手です。レンジが狭いため、明るい場所は白飛びしてしまい、暗い場所は真っ黒に潰れてしまう、そんな画像を見たことがあるのではないでしょうか。
HDRではこうした白飛びや黒つぶれを解決するために、一度のシャッターで明るい場所に階調を合わせたものと、暗い場所に合わせたもの、さらにその中間帯と3枚分を撮影して合成しています。こうすることで白飛びや黒つぶれが起きていた場所にもしっかりと色が乗るようになり、その場の情報を正しく記録できるようになるのです。
このようにきれいに撮影できるHDRですが、弱点もあります。それは被写体が動いているとブレてしまうというものです。同時に3回シャッターを切る必要があるため、動かれると合成したときにずれてしまうからです。これを解決するには、なるべく風景のような動かない被写体を撮影するか、カメラを三脚などでしっかり固定すると良いでしょう。