FCC

FCCとはアメリカ合衆国の連邦通信委員会の略称で、アメリカ国内の放送通信事業の規制監督を行う独立機関です。
2017年末からFCCのある決定がインターネットに関係する人たちの間で大きな注目を集めています。

2017年12月14日、FCCはオバマ政権時に採択された「ネットの中立性」既定の廃止を決定しました。
「ネットの中立性」とは、インターネットサービスプロバイダー(ISP)に対して、行われる通信を公平に扱い、特定の通信を遮断したり速度を規制しないように定めたものです。
FCCは今回この規定を廃止する目的について、規制を緩和してISPが効果的な投資を行えるようにすることでより公平なインターネットを形成するためとしています。
しかし反対派からは不都合な通信を遮断したり、ISPが提供するサービスの優位性のために他社サービスの通信速度を意図的に低くされるのではないかと言われています。アメリカでは特定の動画配信サービスの接続速度が絞られているのではという噂が頻繁に話題になり、その度に「ネットの中立性」が取り沙汰されてきました。

2018年2月22日に連邦政府が「ネットの中立性」規定の廃止を公布すると、同日には多数の州政府が廃止の取り消しを求めて連邦政府およびFCCを提訴しています。しかし6月11日には規定廃止が施行されました。
時期を同じくして日本でも海賊版漫画サイトについて、政府からプロバイダへ通信遮断を促し、一部事業者がこれを行うことを発表したことで「ネットの中立性」について一部で議論が盛り上がりました。結局対象としていたサイトのアクセスそのものが激減したため通信遮断の実施は見送られましたが、この事例は政府やプロバイダの判断により通信がコントロールできる可能性を示したものでした。
この背景にはFCCが「ネットの中立性」既定の廃止を決定したことが考えられます。

携帯電話の国際ローミング認証など国際的にも影響力があり、「ネットの中立性」を巡って今後もFCCに注目が集まると考えられます。

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