ダークファイバーとは、電気通信事業者をはじめとしたインフラ整備を担う事業者などが敷設した光ファイバーのうち、敷設したものの現在使用されておらず、そのまま予備回線として残されたままになっている回線の事です。光回線は光で信号を送り伝達するために、現在通信目的に利用されている(すなわち光っている)回線をライトファイバーと呼び、反対に使用されていない(光っていない)回線をダークファイバーと呼ぶようになっています。
基本的に電気通信事業者や鉄道事業者などが基本的にそれぞれの事業用に敷設した光ファイバーですが、工事用やテスト用の他、予備回線とした用途で必要以上に敷設したが使われず現在も残されている回線が多数あり、特に近年ではそれらを有効に利用しようと各事業者が、活用方法を模索している状況です。特に近年ではインターネットの急速な普及や、通信機能を備えた家電の普及などもあって通信量も増大してきており、総務省もダークファイバーの解放と積極的な活用を促すように働きかけています。
ダークファイバーを利用するメリットは大きいです。特に規模の大きい企業などが独自の通信回線として使用する事で、機密及び情報セキュリティの管理品質の向上と混雑を避けた迅速な通信を可能にし、従来型の専用回線を整備するよりもコストダウンが図れる場合があるため注目しています。
回線を持っている事業者もそうした需要を考慮し、専用回線を新たに整備するよりも容易に行える事もあって、法人向けの回線の専有貸し出しサービスの整備に積極的です。
また個人でも利用する事が可能なプランも用意されており、ダークファイバーを利用することで高速通信を行う事ができます。通信速度の向上を求める個人ユーザーは意外なほど多く、そうした人にとっては非常に魅力的な存在ですが、従来回線に比べ導入するにあたっての初期費用が大きくなる事と、ダークファイバー自体が敷設されている地域に偏りがあるために利用できる方や地域が限定される点などネックとなる面もあります。