DTMF(プッシュ信号)(Dual Tone Multi Freqency 多重周波数の二重音)はプッシュホン用のプッシュ信号です。プッシュホンのボタンに夫々の音声を割り当て、音声信号を回線に流し、回線に接続した装置が音声を信号に変換して認識する転送方式です。
音声の組み合わせは、高音4種類と低音4種類を、高音と低音を組み合わせ、全部で16種類の信号を作り出すことが出来ます。
実際には、高音は人間の耳に聞こえる1.2Khzから1.6Khz強で4種類とし、低音は697Hzから941Hzまでで4種類としています。
16種類の信号は0から9までの10種類と*、#の2種類、残りはAからDまでの4種類で計16種類です。日本ではAからDまでの4種類は使用していません。
この転送方式は、パルス信号で転送できる情報量よりも多いことにありますが、信号コードとしては種類が少ないこともあり、一般の情報通信信号としては使われませんが、プッシュホンのような分野では有効です。
マイクを通して音声信号として転送できることも特殊です。電話回線とコンピュータを繋いだCTI(Computer Telephony Integration system コンピュータと電話の統合の意味)が代表的な実用例です。
運用例としては、コールセンタでの電話とシステムとの連携で、ルーティン化出来る部分は自動音声応答をし、自動化出来ない部分はオペレータが受け持つCTIが一般的です。
コールセンタでの応答方式はいまでも、CTIが活躍しています。
WEB時代になり、ネットによるコンピュータ接続が一般化し、システム運用も多様化しています。しかし、ネット回線接続では、メールやWEB問い合わせでは、何時回答が得られるか不明ですが、電話ですとリアルタイムでオペレータ対応が柔軟です。
実際に重要なメール送信時には、安全確認のため電話をするような事態まで起こっています。自動化にはAI導入による利用領域の拡大が計られていますが、実用分野は未だ少ないのが現状です。