スループットとは通信やコンピュータの世界でよく用いられる用語で、処理能力やデータの転送スピードを表します。要するにどれだけ早いか、高性能かということを表す数値となります。
コンピューターの処理能力に関しては、CPUの性能が最も大きな影響を与えるでしょうが、それだけでスループットが決まってしまうわけではありません。CPU以外にも、メモリやハードディスク、OSなども関係してきます。ただ、コンピューターの処理能力に関してはあまりスループットという用語が用いられることは多くありません。
どちらかというと回線などの通信速度に対して使われることが多い用語です。
例えば通信速度50Mbpsなどと表されていることがあるでしょう。bpsというのはbit per secondの略であり、1秒間に1ビットのデータを転送できるスピードを表します。ちなみにビットとは情報量の最も基本的な単位であり、2進数1桁、つまり0か1かを表す情報量です。日本語全角の1文字は2バイト文字と呼ばれることがありますが、1バイトとは8ビット、つまり2進数8桁に相当する情報量ですから、2バイト文字とは2進数では16桁に相当します。
50Mbpsと書かれたときのMはメガ、つまり100万倍を表す接頭辞です。即ち、1秒間に1桁の2進数を5000万個送れるスピードということになります。どれくらいの情報量かというと、5000万を16で割って、1秒間に日本語全角で約30万文字分を送れるくらいのスピードということになります。
最近では、50Mbpsと書かれていたとしても、全てを読むことはせずに、単に50メガのスピードということも多いようですが、それはすなわちスループットを表しているということになるわけです。もちろん技術の進歩、通信会社とか通信機器などによってこの数値は大きく変動することになります。