伝送速度はデジタルデータをある場所から別の場所まで伝送する速さのことを指し、通信速度や回線速度などとも呼ばれることがあります。
我々が普段パソコンやスマートフォンなどの端末で取り扱っているデジタルデータは0と1と2の値の組み合わせによって表されています。デジタルデータの基本単位はビット(bit)と呼ばれており、8bitの情報量を1バイト(byte)と表現しています。伝送速度はこのビットという単位を用いて、1秒間にデータを何ビット伝送できるかで速さを示します。
単位はbit per secondの省略形であるbpsで、日本語でビット毎秒と表現されることもあります。
伝送速度の数値が大きくなる場合は単位の前にk(キロ)やM(メガ)、G(ギガ)などといった接頭辞を用いてあらわします。例えば、1秒間に6,000バイトの情報を送ることができる場合は6,000bpsとは書かずに6kbpsとあらわされ、6MBの情報を送れる場合は6Mbpsなどと表現します。
伝送するデータの大きさが決まっている場合は伝送速度の数値が大きいほど短時間でデータを送れることを、決められた時間の中でデータを送信する場合は伝送速度がはやいほどより多くのデータを相手に送れることを意味します。実は、情報通信技術の歴史は伝送速度の進化の歴史でもあります。
1990年代から2000年代初頭まではポピュラーだったISDN回線は最大で128kbpsでしたが、その後ブロードバンド回線が一般家庭にも普及して1秒間にメガバイト単位でデータをやり取りできるようになると急速にシェアが低下しました。
そのブロードバンド回線も最初期の伝送速度は512kbpsから1.5Mbps程度でしたが、光ファイバーケーブルを用いた伝送技術が登場すると最大伝送速度が100Mbpsであるサービスが多くの通信事業者から提供されるようになりました。現在ではさらに高速となり、理論上では最大で10Gbpsの伝送が可能になっています。