NTTドコモが提供するLTEを使用したデータ通信向け通信サービスが「Xi(クロッシィ)」です。通信規格には3.9Gに属する技術であり、「第3.9世代」と称されています。このXi(クロッシィ)の前にドコモが提供していたサービスで有名だったのか「FOMA」です。大容量通信が可能な次世代型技術に取り組んでいたドコモが、2001年10月にサービス提供を開始しました。第3世代移動通信システム(3G)と呼ばれ、世界初の快挙と知られ、NTTやドコモの技術力や、インフラ構築力を世の中に知らしめました。
FOMAは「Freedom Of Mobile multimedia Access」の頭文字をとった略称であり、日本語にすると「マルチメディアへの移動体のアクセスの自由」という意味です。SIMカードに該当するFOMAカード(UIMカード)を用いることで、1つの契約で複数の携帯が使用出来たり、電話番号を最大2つまで持つことができるなど、実に画期的でした。
そして、FOMA以前のドコモ携帯はmovaでしたが、サービス提供区域が全国的に広がっていくにつれて、ドコモ携帯はmovaからFOMAへシフトチェンジしていきます。
サービス提供が開始した2001年から、契約数はどんどん増えて行き、「パケ・ホーダイ」や「FOMAハイスピード」、「定額データプランHIGH-SPEED」など、品質も向上して2009年6月には5000万契約に達しました。
今ではSoftBank社とiPhoneの台頭で牙城が崩されましたが、当時で言えばNTTドコモの独り勝ち状態であり、それを象徴するサービスがFOMAであったと言えます。しかし、前述したXiが誕生し、世代交代が加速します。2011年12月末の約5796万の契約数をピークに、以降は減少していきます。長きに渡ってドコモを、日本の携帯会社を牽引していたFOMAはその役目を終え、次の世代へとバトンタッチしていったのです。