電波料とは電波を使用するために支払う料金のことです。電波には限りがあるため、世界的にみても地域や国により厳しく管理されており、一定の周波数帯では免許制となっており、免許を有する事業者しか扱うことができません。
これは、同じ周波数帯を使用することで正常に送受信できなくなるためです。このため電波は、公共の財産であるという考えのもと、広範囲におよぶ使用に関しては政府機関が周波数を割り当て、それぞれに使用目的を定めて、事業者に許可する仕組みとなっています。
この電波を利用する業種としては、放送局がありテレビやラジオなどが知られます。また業務用無線通信やアマチュア無線通信や携帯電話などが知られ、近年は周波数帯を効率よく使うためのデータ通信が増えています。
一方で電波料とは、これら電波を扱う事業者に料金を支払うことでサービスを受けるものです。昔の電波料といえばテレビ・ラジオの広告宣伝に使われる放送料を指しています。これは、民間の放送局に提供番組やコマーシャルを流してもらった場合に支払うものです。価格に関しては視聴率の高い時間帯やサービスエリアの人口、生活水準などによって変わってきます。
また近年では、携帯電話などで電波枠を貸し出す方法も増えています。この場合は、事業者が使用許可を有している事業者に使用料、つまり電波料を支払って枠を確保して、それを末端のユーザーに小売りするというものです。格安スマホや格安SIMなどがそれに該当し、免許を有しているキャリア事業者と契約するよりもさまざまな制限を受けるものの費用を抑えて、利用することができます。
なお、日本では免許が与えられた事業者は国に電波使用料を納付することが義務付けられています。これは1993年からスタートしたもので、現在では周波数帯や使用者数によって区分されており、免許を必要とする電波利用では必ず支払わなければならないものとなっており、これも一種の電波料といえます。