電話をより利用しやすくするための方法としてダイヤルインというサービスがあります。かかってきた相手の電話番号によって、つなげる電話を変えられるのが大きな利点になっていますが、ダイヤルインというサービスで利用できる電話番号には2つの意味があるので注意が必要です。
その1つは契約番号としての意味、もう一つは追加番号としてのダイヤルインです。同じ電話番号でも契約番号と追加番号には大きな違いがあります。
通常の電話契約の場合には、一つの電話回線につき割り振られるのは一つの番号です。そのためにある電話番号にかけたときにつなげられる電話も、その回線を利用してつながっている特定の電話機に限られます。この通常の契約で割り振られる番号のことを契約番号と呼んでいます。
ですがダイヤルインの契約を結んだ場合には、契約番号以外の電話番号を利用できるようになるのが大きな特徴です。そのために1つの電話回線の契約を結んだ場合でも、契約番号以外に複数の追加番号を利用することが可能になります。
たとえば1つの電話回線で2つの電話番号を利用することも可能ならば、3つの電話回線の契約を結んで、5つの番号を利用することもできます。このように複数の電話回線を契約して複数の番号を利用できるようにする仕組みのことを代表ダイヤルインと呼んでいます。
代表ダイヤルインを利用して複数の電話番号が使えるようになるのは、電話番号に関する情報が回線を通して送信されるからです。そのために送られてきた電話番号に関する情報から判断して、特定の内線に接続することも可能になっています。こうしたサービスを利用するのに特にメリットがあるのは、建物の中で複数の電話を利用している会社などです。
部署ごとに電話機が設置されているような会社では、顧客から電話がかかってきた場合には、1つの電話番号しか契約していないときには、取次ぎも面倒になるので、仕事をする上での大きな妨げにもなります。ですが代表ダイヤルインを利用すれば、会社の部署ごとに異なる電話番号を設定することができるので非常に便利です。
複数の番号を契約しておけば、同じ建物内にある会社の部署に電話をかけるときにも直接、目的の電話番号につなげることができるために、電話をかける側の人にも大きな利点があります。電話をかけるたびに取り次ぐ必要もないために、業務の進行がしやすくなるのも特徴です。
ダイヤルインと似たような種類のサービスにiナンバーがあります。この2つのサービスはその形態が非常に似ているために、利用者の中にもしっかりと区別がつかないという人も少なからずいます。
ですがこの2つのサービスは似ているようでまったく異なったサービスであるので、利用をする際には注意が必要です。
iナンバーとの違いは、ダイヤルインは複数の電話回線を利用して複数の電話番号を利用することができるのに対して、iナンバーの場合には、1つの電話回線を利用することしかできないことです。そのためにiナンバーは主に、家庭向けの電話回線に使用されているサービスです。
広さがある建物に複数の家族が同居している住宅など、複数の番号を設置する必要がある家庭に広く利用されています。例えば親とその子供の家族が二世帯住宅で同居している場合などにも利用しやすいサービスです。
1つの電話回線の契約だけで、親の家庭で利用している電話と、子供の家庭で利用している電話に、それぞれ別の電話番号を設定して利用することができます。
電話回線を1つしか使用していないために、低料金で利用できることもiナンバーの特徴です。追加する番号の数によって料金が異なりますが、いずれも月々低額の料金で利用できるので、多くの家庭で利用しやすくなっています。ですがその一方で代表ダイヤルインには、iナンバーでは利用できない便利なサービスもあります。
一番異なっている点は、契約できる電話番号の数です。iナンバーの場合には1つの電話回線を利用しているために、最大でも3つの電話番号までしか同時に契約することはできません。そのために4つ以上の電話番号を同時に使用したい場合には、新たに別の電話回線を契約する必要があります。
ですが代表ダイヤルインの場合には、より多くの数の番号を契約することができるようになっています。そのために代表ダイヤルインはおもに、法人などを対象にしたサービスになっています。同一の建物内に数十の部署が設置されているような、規模の大きい会社では、特にこうしたメリットを活用できます。
ダイヤルインには電話会社によってさまざまなタイプのサービスが利用できるようになっています。その中には通常のものよりも低料金でサービスが利用できるものもあります。ダイヤルインエコプランなどもそうしたサービスの1つで、月々の使用料金が割安になっているために、多くの電話番号を利用する必要がある法人にも利用しやすいサービスです。