IVR(Interactive Voice Response自動音声応答)はCTI(Computer Telephony Integrationコンピュータ電話統合)に使用される一つの技法です。インターラクティブは、電話とコンピュータが対話しながら双方向通信でやり取りすることです。電話をかけた人との会話ですので、コンピュータと接続されたIVR装置は音声で応答します。
前以って録音した音声などを音声データとしてコンピュータに蓄積し、電話で要求されたことに対応する音声データで応答する仕組みです。従って、想定された固定的な音声データであり、想定外の音声入力に対応出来ないので、その時はオペレータ対応になります。
オペレータも想定している電話での要求は、IVR装置での返答に切り替えることが出来ます。
実例として、質問の内容を仕分けするために質問内容をコールセンター毎に電話入力番号を知らせ、電話で番号をプッシュすることで、関連コールセンターにつなぐ仕組みを作っています。
自動受付では、顧客からの購入要求やキャンセル要求、予約要求を自動で受付をします。
受験結果の合否案内を自動音声応答によって自動化することができます。
現在の日本では選挙法で定められた方式での個人認証でしか認められていませんが、将来電話での個人認証が選挙法で認められれば、選挙の費用もコストも時間も大幅に短縮することが可能です。
世論調査でも、電話音声ガイダンスによって自動で調査データを取得し、世論調査をすることが出来ます。
現在の対話するロボットも音声認識機能が高くなり、一部のロボットも自動音声応答の一つです。
振り分けはPBX(Private Branch eXchange構内交換設備)の中の機能であるACD(Automatic Call Distribution自動着信呼分配装置)で振り分けます。PBXはアナログからデジタル(ISDNなど)になり、更に現在は仮想化によるクラウドPBXに移行しつつあり、BCP(Business Continuity Plan事業継続計画)対策の一つとしても有効です。
自動音声応答はSMSとの連携も取れます。SMS(Short Message Serviceショートメッセージサービス)は携帯電話番号をアドレスとして相手と通信出来るサービスで、SMSの連携により
発信者に入力要求をし、その応答としてURLを送付すれば、簡単にWebサイトに誘導することが出来ます。
IVRも時世に沿って、デジタルからクラウドに進化して、クラウドタイプも利用できるようになっています。クラウドは、システムを自前で構築して運用するのではなく、ASP(Application Service Providerアプリサービス提供業者)が開発したシステムをアウトソーシングすることです。ASPは自社開発したシステムを有料でネット経由で貸出し、会社を運用するビジネスモデルです。
他の用途にはテレマ(テレマーケティングの意。電話でマーケティングすること)です。テレマにはインバウンド(Inbound)とアウトバウンド(Outbound)がありますが、インバウンドは電話に関して受電の意味で、アウトバウンドは架電の意味合いです。
テレマをIVRで行うことは、コスト的にも時間的にも安く早く市場データを取得できます。またオペレータを介在しないのでクレーム対応が不要になります。しかし、クレーム情報が入らない事にもなります。
オートコールも自動音声応答システムの一部で、事前に録音した音声やシステムで合成した音声で電話番号をアドレスにして音声データをエンドユーザに発信することです。キャンペーン対応やアポイント確認、営業の手助けメッセージ伝言などの用途に使われます。