IPv6(Internet Protocol Version 6)とは、インターネットに接続されている端末のIPアドレスの形式のひとつで、1999年7月から割り当てが開始されました。
インターネットは1980年代に米国で開発された当時は、各端末を識別するためのIPアドレスにIPv4と呼ばれる形式を使用していました。IPv4の組合わせは約43億個で、インターネットに接続されている端末が増加するとアドレスが枯渇する問題があります。これに対応して、1995年に従来のIPv4とはアドレスの組合わせが比較にならないほど多いIPv6仕様が新たに決定されました。
IPv6仕様では、IPアドレスの組合わせが、3.4×10の34乗個も存在します。これは、仮に全ての人がそれぞれ1兆個のIPアドレスを使用したとしても十分に供給が可能なほどの組合わせです。新しく策定された形式により、今後はインターネットに接続する機器が増えたとしてもIPアドレスが枯渇する問題が生じることが無いと考えられています。
これは、あたかも郵便番号や電話番号の数字の桁数を増やすようなもので、桁数が増やすと数字の組合わせが増えるので、十分な数の個別アドレスを供給することができるようになります。
新しいIPv6を使用するためには、プロバイダ・ルーター機器・ネットワークに接続する端末のOS・ソフトウェアが対応している必要があります。2018年時点で一般的に使用されているパソコン・モバイル機器のOSはほぼ全て新しい形式に対応しています。
例えばWindowsOSであれば、XP以降のバージョンであれば対応しています。ただし、全てのサーバーが完全に新しい形式のIPアドレスに移行したわけではありません。一部のプロバイダやサーバーはユーザーに割り当てるIPアドレスに従来のIPv4を使用しているので、2018年時点で両社が混在している状態が続いています。
両方のプロトコルをまたいで通信を行うことは可能ですが、データ通信の際に新旧それぞれの形式のIPアドレスを変換をしなければなりません。このため、接続に余分の時間がかかってしまう場合があります。
日本国内のプロバイダの多くは既にIPv6に対応していますが、未対応のサーバーにアクセスする際に従来のIPv4が使用される場合があります。このため、世界中のサーバーやプロバイダが、新しい形式に完全に移行するまでは、2通りのIPアドレスを使用することになります。
自分が使用する機器やプロバイダが新しいIPv6に対応しているかどうかをチェックしたい場合には、インターネットブラウザを起動して確認用のページに接続する方法があります。自分が使用しているIPアドレスを確認することができるページにアクセスすると、インターネット上で使用されているアドレスを確認することができます。
一般的にインターネットにアクセスする際は、プロバイダを通して契約者ごとに割り振られたIPアドレスを使用しますが、家庭やオフィスごとに設置されているルーターは、別個のアドレスを生成してそれぞれの端末に割り振っています。
このため実際にパソコンのOSが認識しているIPアドレスは、ルーターが割り振ったものなので、従来型のIPv4が登録されているケースがほとんどです。このため、自分が使用しているパソコンのシステム設定画面などを開いて自分のIPアドレスを確認すると、従来のIPv4が表示されます。パソコンなどのOSが使用するIPアドレスはルーターの内部のみでしか使用しないものであり、外部に接続する場合には契約者ごとにプロバイダに割り振られたIPアドレスが使用されます。