ソフトスイッチ
昔は、リピーターハブといういわゆるバカハブが、LANを流れるデータを遠くまで延長して届けていました。電気信号をバカハブが増幅するだけのもので、データの中身を見ることはありませんでしたが、そのうち、スイッチングハブという機器が登場して、MACアドレスレベルで宛先を判断して、データを延長させるかどうかを判断するようになります。
インターネットには、さらにルーターというネットワークとネットワークの橋渡しをする機器も存在し、IPアドレスレベルで宛先を判断してデータの延長を操作します。ゲートウェイというアプリケーション層レベルでのデータ延長も行われる場合があり、多種多様の技術がインターネットを支えています。
物理的な機器としても、サーバーやプリンター、ルーターやスイッチングハブ、リピーターハブやゲートウェイ装置そして、クライアントとなるパソコンやスマートフォン、タブレットと本当にたくさんもので構成されています。
これらはハードなので設定が各々必要で、中にはルーター間のようにプロトコルが、お互いの設定情報を最適化してくれるものもありましたが、それ以外は設定がハード個々で行われるため、一度行ったら、変更は意識して行う必要があるし、全体最適された設定にはなっていない都合上、ネットワークを管理できる規模も自ずと決まります。
ただし、これでは安価の機器をたくさん使って、膨大な計算能力を発揮させるような環境を構築しようとすると、設定がネックになって破綻します。そこで、このようなクラウド事業者が保持する巨大ネットワーク施設等の設定管理や効率化促進のために考えられたものがソフトスイッチです。ネットワーク経由で各機器の設定を自動設定させる機能を持っていて、ルートやトラフィックを自由自在に操れます。
この機能のおかげで、クラウドは機器の追加・変更や直ぐのサービス提供、機器のソフト化による無停止運用の実現といった様々な恩恵を受けることができます。