特定基地局
特定基地局とは、電波法で定められた特定の周波数を使用する基地局のことです。
これだけでは、何を言っているのかさっぱりだと思います。なので、まず基地局についてご説明します。
私たちが普段使用している携帯電話が、Wi-fiを使用していない時でも電話やネットに繋がるのは、各携帯会社が日本の色々な場所にアンテナを建てて電波を送受信しているからです。このアンテナが設置された施設のことを基地局といい、鉄塔やビルの屋上、電柱などに設置されています。基地局から電波が届く場所だとネットが繋がり、届かない所だと電波が悪いと言われています。
電波は波で表されるのですが、1秒間に繰り返される波の回数のことを周波数と呼び、単位をヘルツ(Hz)で表します。周波数によって利用されるものが違い、携帯電話に用いられることもあれば、テレビやラジオ、人工衛星に用いられる周波数もあります。そのため、携帯電話はこの範囲の周波数を使いなさい、というのが決まっており、さらには、携帯会社によって割り当てられた周波数を持っています。
しかし、使える電波にも限りがあります。スマホユーザーの増加にともない電話やネットが繋がりにくくなるのを防ぐため、もっと幅広い周波数でカバーする必要があります。そこで総務省は異なった局の電波が混じってしまうことを防止するため、また電波を有効利用するために、あらたに特定の周波数を使用するのに許可をとらせるようにしました。
この特定の周波数を使用するアンテナを持つ基地局が特定基地局です。この特定の周波数と携帯電話会社がもつ周波数によって、人込みでも電話やネットが繋がりやすく快適で、災害時などにも安心できる携帯電話サービスが実現されます。
この特定基地局は、総務省に認可されれば日本全国に設置することが可能ですが、これには電波を公平で能率的に利用するための技術を使うことと義務付けられています。
近年、携帯キャリアでは新たな周波数の割り当てや新規事業者の参入があり、競争による携帯料金の値下げやサービスの向上が見込まれています。ユーザーとしては、これからの動向に期待したいところです。