0ABJ番号
0ABJ番号は、固定電話のうち一般の加入電話に割り当てられる番号のことを指します。たとえば東京ならば03から始まる電話番号です。固定電話でもIP電話に割り振られる050から始まる形式と区別されます。これら以外にも携帯電話の090や国際電話の010など0A0形式がありますし、警察や消防での特殊サービスに用いられる1XY形式も存在します。
0ABJ番号は全国を612に区分けし、区画ごとに市外局番が付され事業者の申請により決まります。この形式については電話回線を貸し出すことでさまざまな事業者が参入できるためにIP電話でも使用されており、番号数が逼迫している現状があります。その対策として桁を増やしたり、桁をずらすことで使用可能な番号域を広げる取り組みが行われています。
加えて市外局番の区画を統合することも有効な対策になります。0ABJ番号にはいくつかのメリットがあり、番号によって通話をしている地域が特定できたり、市外局番の有りか無しかで電話料金の目安が得られるなどは固定電話の有利性です。またビジネス上の信頼性向上、音声品質の良さも特色です。
そんな中で固定電話そのものをIP化する動きがあります。その理由は通信媒体の多様化により固定電話の利用数が減少したことと、このシステムを維持するために不可欠な中継交換機の維持管理にコストが掛かる点にあります。総務省発表による各形式の増減データによれば、0ABJ番号は減少傾向が続いていますが依然携帯番号に次ぐ数を有しており、IP化はまだ道半ばです。
それでもIP電話は増加が続いていることは事実です。総務省では技術的な意見を集約してよりよいサービスを実現するために研究会発足させています。そこでは外国の事例や専門的な提言を公開しており通信事業の現状を把握できます。メーカーを問わないモバイルによる0ABJ番号を利用したサービスを計画する事業者もあり通信のあり方は利用者のニーズに合わせ変わり続けています。