PDA
PDAは文字だけでなく、画像や音声といったデジタルデータを統合して扱える個人用の携帯端末です。それらの総称として広く用いられていますが、もともとは、電子手帳の機能を拡張した小型の電子機器でした。片手で把持できる大きさであり、メモや住所録をはじめとして、さまざまな機能が搭載されています。パソコンで用いるソフトの簡易版がインストールされているものもあり、2000年代前半には多くのビジネスマンに活用されていました。
インターネットを使用できる仕様の商品が多いことも特徴の一つです。カードスロットに通信用のカードを挿入することで使えるタイプなどがあります。カードスロットには、容量を増やせるメモリカードを挿すことも可能です。このような機能が充実しており、ノートパソコンがなくても電子メールを手軽に扱えるようになったことで注目を集めました。その他に音楽を楽しんだり図形を描いたりする機能もあるなど、プライベートでも用いられることが多かったです。価格は1万円ぐらいの商品から数万円に及ぶものまでさまざまです。
需要が高まり市場が拡大するにつれて、家電メーカーを中心に多くの製品が発売されました。有機ELを画面に採用する企業も現れるなど、いろいろな方向に進化を見せるようになったのです。しかし、当時のPDAの進化は、いったん終焉を迎えることになります。スマートフォンが登場して一気に普及していったからです。スマートフォンはPDAに電話の機能を付けた機器といえます。またノートパソコンに対してのアドバンテージが失われたことも影響が大きいです。ノートパソコンの小型化が進んで、携帯しやすいノートブックが市場に出回り始めたからです。ノートブックはPDAより大きいですが、パソコンとあまり変わらない操作性があることに魅力を感じるユーザーが多くいました。今後PDAのスタイルは、スマートフォンやタブレットとして継承されていくことになります。