電気通信事業法

電気通信事業法は、電気通信事業が公共性を帯びていることを重視して、電気通信の健全な発達と国民の利便性の確保を図り、公共の福祉を増進することを目的として制定された法律です。
このような目的を実現するために、事業の運営が適正で合理的なものにするとともに、公正な競争を促進することによって、サービスの円滑な提供と利用者の利益を保護するためのさまざま措置を講じることを内容としています。

電気通信事業法は昭和59年に制定されたものですが、それ以前にも昭和28年に公衆電気通信法と呼ばれる法律が制定された経緯があります。新しい法律が制定された背景としては、政府の行政改革の一環としての電電公社の分割民営化があります。
従来の法律は電気通信事業の公共性の観点から、日本電信電話公社や国際電信電話株式会社といった主体が独占的に事業を行うスキームが構築されていましたが、逆に民間による競争を促進することで料金の引き下げやサービス水準の向上といったメリットを広く国民が享受できるようにしたものといえます。

新しい電気通信事業法のなかでは、電気通信事業を営もうとする者に国への登録または届出を義務付け、公共性を担保するしくみが取られています。届出が必要なのは電気通信回線設備を設置する事業者であれば、端末系伝送路設備が単独の市町村の区域だけに留まること、および中継系伝送路設備が単独の都道府県の区域だけに留まることという条件を満たすものが対象となります。
ほかに電気通信回線設備を設置していない事業者も届出制の対象ですが、これは法律制定時には第二種電気通信事業者と呼ばれていたグループです。これらの要件を超える電気通信回線設備を設置するような大規模な電気通信事業者については、届出制ではなく登録制となっています。所管官庁の長にあたる総務大臣は、申請があれば登録をしなければなりませんが、電気通信の健全な発達のために適切ではないなどの理由がある場合には、登録を拒否できることになっています。

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